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来るべき南海地震に備えて…高知から
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自主民間防災ネットワーク高知
シンポジウム・セミナーリポート
第3回高知県防災トップセミナー「高知県中山間地域等地震対策」シンポジウム
2005.11/16(水)・高知市かるぽーと大ホール
1Fのフロアはほぼ、満席(席数533)だった。出席者の構成は、推測ではあるが、
行政防災関係者65%、一般35%程であった。印象的であったのは、年配の女性
も複数見られ、熱心に傍聴されていた点だ。

シンポジウムは一部の基調講演
「東南海・南海地震に備えて」 講師 土岐憲三教授(立命館大学理工学部)と
「新潟県中越地震における土砂災害の状況」
                    講師 水山高久教授(京都大学大学院農学部) 
二部のパネルディスカッション・「中山間地域における南海地震対策」は
コーディネーター・大年邦雄(高知大学農学部教授)
パネラー
土岐憲三(立命館大学理工学部教授)
水山高久(京都大学大学院農学部教授) 
下元広幸(梼原町松原地区区長)  
合田司郎(大川村長)
宮崎利博(高知県理事(危機管理担当))
で行われた。

土岐(とき)教授の講演は、政府内閣府主宰・中央防災会議の「東南海・南海地震等に関する調査会」座長だけあって、重みのある内容だった。特に気になった箇所を箇条書きにしてみる。

1)本シンポジウムのタイトル(中山間地域等地震対策…)だが、海岸地域の多い本県では、山 間だけの問題ではないので"孤立地域…"としないとまずいのではないか!?
2)行政また一般は、地震の今後発生する確立や、規模等のデータの少ない部分を捉えて安心したがり、また併せて、そのより少ない方のデータを情報発信する習性があることが問題だ!  少なくとも行政側はそれをやめてもらいたい!
3)東南海区域の震源もモチロンだが、中央構造線(四国山脈から紀伊半島に渡る大地溝構造線)を震源域とする地震も警戒が必要である。活断層の存在が認知されてない地域も震源に成り得る(昨年の中越地震の例)。
4)ほんとうの危機管理は、ルールでは対応できない事態にどう対応するかである。
5)災害は常に経験し得なかった事態が起こりうる。それが"災害"である。という認識が不可欠だ!

水山(みずやま)教授の講演では

1) 山間の斜面崩壊は、降水による崩壊場所とは様相が逆で、凸部が崩壊する。
2) 地震では"地滑りは起こらない"という、行政の認識が昨年の中越地震で崩れた。
3) 1)、2)を鑑み、新たな地震に対応したハザードマップの作成が急務だ!

後半のパネルディスカッションでは、山間部の自主防災組織として最も進んだ地域の代表として、梼原町松原地区々長が参加したわけだが、そこですら、ほんの一週間前(11月初旬)に立ち上がったばかり…という現状であるとのこと。つまり、高知県下山間部地域においては自主防災への取組みはほとんど進んでいない(そのことは私、本会代表、中山の居住地・香北町でも痛感している)状態で、課題は山積であることが浮き彫りにされた感であった。
 また、水島教授が山間地での情報確保のあり方について衛星携帯電話の有用性を強調されていた。しかし、同じく水島教授がヘリ救助に備えて、というキーワードを連発され、救援ヘリは大型なので受入れのためのスペースの確保や、ヘリに対して地面への大書き文字でのアピールの仕方を云々されていたが、東南海地震が同時に発生した場合、救援の優先は大都市圏(中京地域)に大勢を奪われ、かなりの時期、救援が来ない(救援すべき行政担当すら被災者)ので自活を如何に継続させるかという、山間地の最終的な被災時の課題と矛盾する面があり、違和感を感じた。

以上、特に印象に残った点である。

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